フィラリアについて3

今回はフィラリア関連でよく質問を受ける
通年で駆虫薬を飲ました方がよいのか
通年予防をしていればフィラリアの検査は必要ないか
について書いていきます。

通年予防とは?

一般的には5~11月(12月)までの期間、月に1回駆虫薬を投薬し、12~4月の間は休薬します。
通年予防とは、12月~4月の間も月に1回薬を飲ませ続けることをいいます。
つまり5月~翌年の4月まで月に1回投薬を継続します。

なぜ冬の間は予防をしないのか?

冬の時期にフィラリアの駆虫薬を使わない理由は2つあります。

まず千葉県の当院周辺では、冬に蚊を見る事はほとんどありません。フィラリアが動物に寄生する為には蚊の媒介が必ず必要です。
その為、蚊がほぼ飛んでいない冬に感染するリスクは低いと言えます。

次に、フィラリアが動物に寄生するには蚊の中で発育する必要があります。
しかし、平均気温が14℃未満では蚊の中で発育することができません。
地球温暖化とはいわれていますが、まだ千葉県の冬の平均気温は14℃を超えていません。

つまり、
冬に蚊が飛んでいたとしても、
平均気温が低いとフィラリアが発育ができないため、
フィラリアに動物が感染することはまずないと言えます。その為、当院では冬の投薬をすすめてはおりません。
勿論、冬でも感染する条件が揃っている地域にお住いの場合は、通年で投薬をした方が無難です。
ご心配の場合はご相談ください。

通年予防をしてる場合でも検査は必要か

通年予防をしている場合でも検査はやりましょう。
フィラリアの検査は蚊が飛んでいる期間にしっかり予防出来ていたかを調べているので、冬季に駆虫薬の投薬を続けていたとしても、100%感染していないとは残念ながら言えません。
また、万が一、フィラリアが感染している状態で投薬を行うと思いがけず動物に負担をかけることになりかねます。
安心して予防をするために検査を行ってから投薬を開始しましょう。

まとめ

冬でも蚊が飛んでいる、気温が高いなどのフィラリア感染リスクが高い地域を除いて、
通年予防の必要性は今のところ千葉県では低いです
。通年予防が悪い事ではないので、どうすべきか不安な場合は病院にご相談ください。また、通年予防をしたとしてもフィラリア感染を完全に防いでいるわけではないことを念頭において、必ず年に1度の検査を行いましょう。

現在も時折、フィラリアに感染してしまっている子に出会います。
フィラリアでつらい思いをする動物が減るように3回にわけて書きました。
なかなか文章で伝えるのが難しかったと思います。
分からない事は気兼ねなくご相談ください。

月に1回、なぜ頑張って投薬してもらっているのか、その辺りを少しでも伝える事ができたなら幸いです。

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