フィラリアについて2

フィラリアのお薬と検査について

1ヵ月に1回の投薬の理由

フィラリアの検査をする理由。

これが非常に大事です。
あとは知らないでも大丈夫です。

少しでも、
フィラリア予防について伝われば幸いです。

駆虫薬の種類

駆虫薬の種類は内服(飲み薬)、外用剤(塗り薬)、注射の3タイプあります。

内服は種類が豊富です。
ただの錠剤からオヤツタイプなど味や見た目から、
また、効能もフィラリアのみの予防から他の寄生虫(ノミやマダニ等)も予防可能なものまで様々です。フィラリアの駆虫効果は基本的に投薬日のみです。

外用剤は背中の毛をかき分けて皮膚に浸透させます。
フィラリア以外の寄生虫予防効果が一緒にあります。
フィラリアの駆虫効果は内服と同様に短時間ですが、一部の薬剤では1ヵ月効果が持続するものがあります。

注射は1度打つと12カ月予防効果が持続します。
*当院では使用していませんので詳しくは取り扱っている病院に聞いてみてください。

それぞれの薬のメリットデメリット

当院では注射タイプは使用していないため、
内服と外用の2つのみを比べます。

内服のメリットは価格種類が豊富なことです。
フィラリアのみのタイプは最も低価格になります。
色んなタイプがあるのでオヤツやご褒美感覚で、
犬ちゃんが好んで食べてくれることもあります。

注意点は、
しっかり消化吸収されないといけない事です。
しっかり飲んだか、吐き出していないかは必ずチェックしましょう。投薬後に下痢などの消化器症状が出た場合もご連絡下さい。
*他の寄生虫も予防できるオールインワンタイプは、外用剤よりも価格の高いものもあります。

外用薬のメリットは内服よりも手間がかからないことです。毛をかき分けて、地肌に垂らして終了なので慣れると非常に簡単です。
しかし、使用前後のシャンプー制限がある製剤がほとんどなのでその点は注意しましょう。
また、外用剤なので皮膚に合わない場合は皮膚トラブルを起こします。
外用薬のデメリットはフィラリアのみのタイプがないのでコストが高い、シャンプー制限といったところです。

それぞれ価格やカバーできる寄生虫に違いがあるので、初めての方やお薬を変更したい際は、
スタッフと相談して決めてください。

なぜ1か月に1回?

フィラリアは感染後1.5ヵ月ほどは薬が効いて安全に駆虫が出来ますが、この期間を過ぎると薬が効かなくなります。その後に投薬を始めても駆虫されずに成虫まで発育していく可能性があります。
*感染後1.5~2ヵ月で効かなくなると言われています。

その為、
薬が必ず効くうち=感染後1ヵ月以内=1ヵ月に1回投薬し、駆虫しています。

投薬すると1か月効果が続く?

残念ながら、
ほとんどの薬は短時間しか効果がありません
なので、投薬後から次の投薬日(1か月後)までの間に、フィラリア陽性の蚊に刺されると新たに感染してしまいます。

つまり1か月に1回の駆虫とは、
1度駆虫しても、
蚊が飛んでいる限り新たに感染する可能性がある、
感染していても1ヵ月以内なら駆虫できる。

じゃぁ、念の為に
1か月に1回まとめて駆虫しようということです。

例えば、
5/1、6/1、7/1、8/1と飲ませた場合、
6/1の投薬は5/1~6/1までをまとめて駆虫、
7/1の投薬は6/2~7/1までをまとめて駆虫
8/1の投薬は7/2~8/1までをまとめて駆虫していることになります。

投薬を忘れた・失敗した場合

フィラリアは感染後、約1.5ヵ月程度までなら駆虫ができる。これが前提です。
では、
5/1に投薬したが、6月分を忘れ、
7/1に投薬をした。残念ながら5/3にフィラリアに新規感染していた。
というようなケースの場合ではどうなるでしょう。

5/3から7/1まで約2か月あるので、5/3に感染したフィラリアは7月から投薬を再開しても駆虫されず動物の体内で成長し続ける可能性が高いです。

このように
投薬を忘れてしまった、
投薬したはずが実は吐き出していた、
投薬後に下痢をした、
皮膚に付けたが舐めとってしまった
などの様々な要因で1か月分の駆虫がきちんとできずに、感染がその後も持続している事も考えなければいけません。

感染が持続していた場合はどうなる?

最悪のケースは感染した子虫が成虫になり、動物の血液血管内に新しい子虫を産んでいる場合です。
この場合に、駆虫薬を飲ますと虫の死骸やその毒物による反応で動物がショックなどの致命的なダメージを受けてしまいます。
フィラリアから守るために投薬をしたはずが、動物の命を奪う事になりかねません。
その為、投薬シーズンの前に必ず検査を行い、
フィラリアに感染していないかをチェックする必要があります。
安心して投薬するための検査となります。

投薬期間は?

当院では4月または5月~11月末または12月初旬まの期間を月に1回投薬するようにお伝えしています。

一般的には、
蚊が飛び始めて1ヵ月以内から開始し、
飛ばなくなってから1ヵ月後までなんて言われています。

まとめ

毎月しっかり投薬したはずが様々な要因で駆虫しきれていないことが残念ながらありえます。
万が一感染が持続している場合、
駆虫薬を使うと逆に動物にとって危険なため、
シーズンの初めに血液検査をおこない感染していないかをチェックしましょう。
感染していない事が分かった後は、
安心して1か月に1回投薬してあげてください。
上手く投薬できなかった場合や不安がある場合は気兼ねなくご連絡下さい。

次の記事

フィラリアについて3