犬の骨肉腫 体重と犬種

骨肉腫は骨にできる悪性腫瘍で、
残念ながら予後は非常に悪いです。

犬の骨肉腫の発生リスクとして、
体重と犬種が報告されています。
これは海外(イギリス)からのデータです。

https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/210301%20OSA%20infographic.pdf
こちらが元の論文の抜粋データがまとめられたURLになります。
(英語です)

犬の骨肉腫はなりやすい犬種があると言われています。
今回のイギリスのデータでは、
全部で27犬種がリスクの高い犬種とされています。
上位は、
1位ロットワイラー(×13倍)、
2位ローデシアンリッジバック、
3位グレートデーン、
4位マスチフ、
5位ジャーマンポインター
でした。

全27犬種の中で、
日本でもよく見かける犬種として、ゴールデンレトリバー、秋田犬、ラブラドールなどがランクインしていました。(×約3~4倍)。

犬の骨肉腫は体重が重いほどリスクがあがると報告されています。

10kg以下と比べると、

10-20㎏で5.9倍
20-30㎏で7.3倍
30-40㎏で15.8倍
40㎏以上で18.1倍でした。

注目すべきは30㎏を越すと、
急に発生リスクが上がることです。

しかし、

発生リスクが高い犬種は、
体重が重くて当たり前の大型犬です。

個体によっては、
適正体重がそもそも30㎏以上の子もいるでしょう。

そのような子に無理な減量を行うと、骨肉腫の発生リスクは下がったとしても、他の面で体調を崩してしまうでしょう。

骨肉腫の発生リスクの高い犬種においては肥満は避けながら、
それぞれの体格に合わせた適正な体重を維持しましょう。

わんちゃんの体重を健康的に管理されている方からよく聞く話なのですが、

周りの人から

「わんちゃんやせてません?かわいそうだよ」

などの言葉を言われることがあるそうです。

なぜか、

ぽってりしてる太っている方が良い?健康的?とお考えの方が一定数います。特に大型犬でその傾向が多い印象です。

しかし、

それは間違いで、
肥満/過体重は関節や内臓を痛めたり、動物の健康を害する可能性が高くなります。

特に今回のテーマ・骨肉腫は、
悪性度が高い癌のため、
発生リスクが高い犬種においては、
適性な体重で管理していただけたらと思います。

これから新しく子犬・子猫を迎え入れようと思っている方向けに。
幼若時の肥満のリスクについて
 ↓
http://子猫子犬のご飯、肥満と寿命の関係で解説していますので参考にしてみてください。


一方で、これらの情報に囚われ過ぎないで頂きたいとも思っています。

なんといっても、食事は日々の喜びの1つだからです。
人だって肥満が良くないと知りつつ、
ケーキやラーメン、お菓子、
などなど、、、
食べちゃうことあると思います。

それに食事は動物にとって、
人との重要なコミュニケーションの1つでもあります。

なので、
たまにはおやつをあげたり、フードをいっぱいあげたりしてもいいと思います。

ただし人と違って、
食べすぎたから次の食事を減らすとか、筋トレ・ランニングをしようとか、自主的なダイエットは動物にはできません。

動物が太るも痩せるも、
全ては飼い主の方に委ねられています。

当院の情報がそのことを忘れないための気づきとなって、
動物とそのご家族の幸せな毎日が長く続けば嬉しいかぎりです。

当院ブログに対するご不明点等は、診察時に獣医師:佐藤(洋)までお尋ねください。


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