犬・猫の外耳炎について

今回は犬ちゃんと猫ちゃんの外耳炎について。
症状を知って頂き、外耳炎が疑わしい時は早めに来院をお願いします。というお話です。
外耳炎という言葉は飼い主の方の中でもよく認知されていると思いますが、その症状まではしっかり認知されていない事があります。
ぜひ外耳炎の症状を知って頂き、いち早く気付けるようになってもらえたらと思います。
外耳炎の症状
外耳炎の行動として
・耳を掻く
・頭を振る
・頭を地面や物にこすりつける
などがあります。
耳が不快ですからこの様な行動は当たり前のように感じられるかもしれません。
しかし、健康な子でも日常生活でする行動の為なのか、
意外と飼い主の方が気付いていない事はよくあります。
そこで行動以外の症状も併せてチェックしてもらうといいでしょう。
行動以外の症状として
・耳の汚れが増えた
・耳がジュクジュクしている
・耳の内側が赤い、黒い
・耳の内側がザラザラ、つやがない
・耳がにおう
などがあります。
汚れが増えた、ジュクジュクしてるなどは分かりやすい変化だと思います。
実際に汚れの変化に気付かれて来院されるケースは多いです。
一方で色や質感の変化に気付かれて相談を受ける事は少ないです。
普段から見慣れていないと気付きにくいと思いますので、ぜひ普段から動物の耳をみてあげましょう。
なぜ外耳炎になるの?
よく質問を受けます。なんで外耳炎になったんですか?と。
これはなかなか難しい質問です。
というのも、
発症要因は大きく4つある(4つの分類の中に更に細かく色々と要因があります)と言われていて、
これらの要因が複雑に影響し合って発症すると言われているからです。
つまり、原因は1つじゃないんですね。
これらの要因についてはいつかしっかり書こうと思います。
今回伝えたいのは、その中の1つ。
永続化因子です。
これが外耳炎のときは早く来院して欲しい理由です。
永続化因子とは
名前からなんとなく想像もつきますが、
これは外耳炎を慢性化、治りづらくさせる要因です。
具体的にいうと、耳道(耳の穴~鼓膜まで)が狭くなったり硬くなったりする変化の事です。外耳炎が慢性化するとこの様な耳の形そのものが変化してしまいます。
これが永続化因子です。
重要なので繰り返しますが、
永続化因子は外耳炎を慢性化・難治性にします。
つまり、
外耳炎
↓
慢性化
↓
耳の変化(永続化因子になる)
↓
更に慢性化
↓
耳が更に変化(永続化因子が強化)
・・・というような悪循環に入ります。
なにより動物も耳の苦痛を感じていますので、
外耳炎かな?と思ったときは早めの受診をお願いいたします。
まとめ
外耳炎は頻繁に起こる耳の病気の1つです。
飼い主の方にも外耳炎という言葉は広く認知されていますが、そのせいか軽視されている面もあるように感じます。
よくある病気だし、
様子見てれば治ると思ってました。というお話をよく聞きます。
しかし、
慢性化すると治りづらくなりますし、
なにより動物たちは痒みや痛みを感じています。
もし、外耳炎かな?と思う事があれば、早めに診察をさせていただければと思います。
気持ちのいい生活を一緒におくるために、外耳炎から解放してあげましょう!
当院では外耳炎に対し、できる限り原因や要因を考えながら丁寧に診断治療をしています。
耳でお困りの事がございましたら、お気軽にご相談ください。
*動物さんの耳の痛みが強い場合や、性格によっては検査ができず正確な判断が難しい場合がございます。
ご不明な点等ございましたら診察中に、獣医師:佐藤(洋)へご質問ください。
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