重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

重症熱性血小板減少症候群(以下SFTS)についてご存じでしょうか。
実は先日静岡にて人での感染報告がありました。
今まで関西での感染が主でしたが、今後関東でも発生する可能性は十分あると思いますので、
SFTSについてちょっと書いていこうと思います。

【SFTSとは】
SFTSはマダニに刺されることで感染し、人の他に犬や猫などでも感染する事が知られています。
また、感染している動物と接触(唾液、糞便、尿などと)することでも、感染することが報告されています。
感染した動物の診察・治療を行った獣医師や動物看護師が感染した事例もあり、獣医業界でも要注意の感染症の一つです。

【症状・治療方法】
元気・食欲低下、発熱、消化器症状、黄疸、血球減少など。
重篤な場合は死亡することもあります。(特に猫は致死率が高いことが分かっています)
特効薬はない為、対症療法で回復してくるのを待つしかありません。

【今までの経緯と千葉の現状】
SFTSは確認されてからまだ10年も経っていない比較的新しい感染症です。
2013年の国内初感染の報告から、主に関西での発生にとどまっていましたが、
実はその他の地域においてもSFTS保有マダニが生息している事は以前から知られていました。
今回静岡県で人の発生報告が出ましたが、動物のSFTS感染報告は少し前から同県内であったことから、
急に感染が広がったというよりも、徐々にSFTS保有マダニが生息数を増やし、人とSFTSが接触する機会が増えてきたのではないかと予想されます。

現在、千葉県内では動物を含め感染報告はありません
しかしSFTSを保有するマダニの種類は千葉でも生息していることが分かっています。
過度に恐れる必要はありませんが、SFTS以外のマダニからかかる感染症もあることから、マダニに寄生されるリスクの高い場所に出かける際はしっかりと予防されることをお勧めいたします。

【感染予防について】
動物にできる予防対策
①マダニが寄生するリスクを減らす(草むらに動物をいれさせないなど)
②外出後のシャンプーやブラッシングによる物理的なマダニの除去
③マダニやノミの駆除効果がある動物用医薬品を使う
これらの事を行うことで、マダニ経由の感染症のリスクを減らすことができます。

【まとめ】

①マダニが関与する感染症で、重症化すると死亡リスクがある
②マダニから直接感染する場合と、マダニに刺されSFTSに感染した動物を介して感染する場合がある
(マダニ→人)または(マダニ→動物→人)
③関西での報告が主だが、今回静岡で発生。今後、感染地域が拡大していく可能性がある。
④千葉での感染報告はないが、SFTSを媒介するマダニは生息している
⑤予防を行い、感染するリスクを減らしましょう

もっと短くするつもりが長くなってしまいました。
最後まで一読して頂きありがとうございます。
動物を連れてキャンプなどに行かれる際に、マダニ予防について見直す一助になれば幸いです。

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